未受精卵子の着床前診断、ドイツ・イタリアで治験

おはようございます!
10月も半ば過ぎ、銀座の街路樹も、徐々に色を変え始める季節なってきました。銀座では、この時期あちこちにハロウィンの飾り付けをしたショーウィンドーが見られます。ハロウィンなんて、私が子どものころはなかったイベントですが、いつの間にかすっかり日本でも季節のイベントとして定着してきましたね。仮装パーティーなども各地であるようですが、私のハロウィンは、専らかぼちゃのお菓子食べ歩きです。秋の味覚を楽しみましょう!

さて、今日は、「未受精卵」の着床前診断に関するニュースをお伝えします。倫理的な批判も多い着床前診断に、新しい方法が発表されました。

未受精卵子で着床前診断 独伊で治験、「命の選別」回避

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体外受精の成功率を上げるため、受精前の卵子の全染色体を検査する新しい着床前診断の初の臨床試験(治験)が欧州で行われ、3人の赤ちゃんが生まれた。受精卵を調べる従来の着床前診断には、「命の選別」という倫理的な批判があるが、そうした批判を避けられる利点もあるという。欧州生殖発生学会(ESHRE)が発表した。

発表によると、ドイツで双子の女児が6月に、イタリアで男児1人が9月に生まれ、母子とも健康という。いずれも「比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)法」と呼ばれる方法で、未受精の卵子の染色体の検査を受けた。

この方法だと全染色体を短時間で調べることができ、着床させる卵子を選ぶ精度が上がるため、妊娠に成功する可能性が高まるとしている。受精卵を「命の始まり」と見なすカトリック教会の影響などで受精卵の検査や操作を禁じているドイツなどでも着床前診断に道を開くことになる。

受精卵の選別には倫理的な面からの批判が多くあるのはよく知られている通りですが、受精卵が命の始まりと考える場合は、未受精卵の着床前診断であれば、まだ命が始まっていないことになるため「命の選別」にはあたらないわけです。

「どこからが命の始まりか」という問題は、今後大いに議論が必要なところですし、是非については、いろいろな考え方があると思います。しかし、報道によれば、妊娠に成功する確率が高まるということですから、不妊に悩む患者にとっては一つの有効な選択肢になりうるのかもしれません。患者自身が、自らの判断で選択できるような形でこのような技術が提供されることが、一番望ましいことではないでしょうか。

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