「燕は戻ってこない」

「燕は戻ってこない」

5月末で台風1号が観測されましたが、今年は台風何号までいってしまうのでしょうかね?洗濯物は乾かないし、髪型は決まらない梅雨がすぐそこまで来ておりますが、皆様まだ鬱々とせずに過ごせておりますでしょうか?

TVドラマが放送中で話題の「燕は戻ってこない」の原作を読んでみました。今回は小説を読み、思い、感じ、考えたことを書かせていただきたいと思います。

話の中核は「代理母」ですが、「不妊治療」「恋愛と結婚」「非正規雇用の闇」「抜け出せない貧困」「キャリアと子育ての両立」など現代の問題が詰め込まれています。読んでいる最中は物語に夢中になり考えられていなかったことが読了後に襲ってくる、非常に考えさせられる物語でした。

貧困は遺伝する

「貧困は遺伝する」などと言われています。もちろんDNAという意味ではなく、貧困である環境に生まれた場合、そこから抜け出すことが非常に大変という意味です。主人公で代理母を引き受ける「リキ」はその代表例で、北海道の田舎には女性が選べる職業は限られる上に、稼げるものはなく、必死に貯金して決死の想いで上京します。ただ、学も職歴も、親からの支援もないリキが東京で生き抜くのは困難を極めるのです。

貧困地獄にはまってしまったリキは、北海道時代から「貧困」をコンプレックスに思っていますから、「貧困を抜け出したい」という想いは人一倍強いのだと思います。そんな中、大金が一度に手に入る「代理母」という決断をするのは、自然な流れなのかなとも思いました。

自分の幸せ

私は海外に住んでいた時に、コロナの影響で一度収入源を失いました。「お金がない」という状況がいかに人の心を荒ませるのかを学びましたので、リキに共感できる部分もありました。

その時、私を精神的に支えてくれたのが「パートナー」と「友達」でしたが、リキも傍にいてくれる人々、話を聞いてくれる友達たち、自分を気遣ってくれる環境に恵まれ、人間としていい方向に変わっていくのです。

人は話すことでストレス発散でき(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/101004-6_0004.pdf)、共感されること、肯定されることで居場所を得られます。居場所を得ることは自己肯定感の向上にも繋がり、「自分の幸せ」を考えられるようになるのだと思います。

味方

不妊治療や卵子提供は、なかなか人に話しづらいことかもしれません。その為、コミュニケーションや人間関係は閉塞的になる傾向があります。話す機会が減るということは、ストレスの蓄積に繋がります。ストレスは「ホルモン分泌の不調」に加え、「卵巣交感神経活動亢進」にも関与することが、内田さえ研究員の2011年の研究で明らかになっております。

とにかくストレスは、百害あって一利もありません。

勇気が必要な一歩かもしれませんが、理解を示してくれそうな方に、現状をお話してみてはいかがでしょうか?自分では予想もしなかったところに味方がいたりしますし、話すうちに頭が整理され、解決される悩みもあると思います。

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