新型出生前診断、一般診療に

皆さん、こんにちは。
もうすぐ暖かな春とはわかっていても、日々、気温差が大きく体調管理も難しい時期ですね。
さて、本日は新型出生前診断(NIPT)についてお話させていただきます。

springs has come

妊婦の血液から胎児の染色体異常の可能性を調べる新型出生前診断(NIPT)について、日本産科婦人科学会(日産婦)は3日の理事会で、倫理面から臨床研究に限定してきた指針を変更し、一般診療として実施することを正式に決めた。現在は指針に基づき、日本医学会が臨床研究として実施する医療機関のみを認定しているが、今後は研究計画書や施設内の倫理委員会を通すことが不要になるため、実施施設が増える見通し。
NIPTは胎児の染色体が1本多いダウン症など3疾患の可能性を妊娠早期に調べることができ、他の出生前診断と比べて手軽で精度が高いのが特徴。国内では2013年4月に導入され、現在は90施設が認定されているが、事実上は大手の医療機関に限られている。胎児の染色体異常による中絶につながるため、「命の選別」との批判も根強い。

理事会では、85施設が加わる共同研究組織「NIPTコンソーシアム」と、未加入の2施設から臨床研究データが報告され、検査内容や意味を夫婦に説明する「遺伝カウンセリングの重要性が確認できた」ことなどを理由に、臨床研究終了を認めた。医学会の承認を経て一般診療に移行する。施設の認定自体は遺伝カウンセリングの実施などを条件に、一般診療化後も続ける。費用は1回約20万円で、保険診療の対象ではない。

記者会見した日産婦倫理委員会の久具(くぐ)宏司委員は「慎重に始めるために臨床研究の形を取ってきたが、開始から5年がたち、受けたい妊婦の需要にも応えられていない。施設が増えることを期待しているが、慎重に増やしていきたい」と述べた。

新型出生前診断(NIPT)は、母体血清マーカーテストや羊水検査といった従来の出生前診断に比べて、リスクが低く精度が高い検査とされています。日本でも一般診療扱いになり、実施施設が増え、必要としている方々がご受診しやすい環境になればと願います。
ただし、検査の意義について理解が不十分なまま受けてしまうと、検査結果によっては妊婦さんが混乱してしまう恐れもあります。十分な遺伝カウンセリングを経たうえで、新型出生前診断(NIPT)を受けるかどうかは医師やご主人とよく相談してください。