母子の絆を深める?それとも危険?出産直後のカンガルーケア

おはようございます!
そろそろ春かと思ったら、週末は真冬の寒さが戻ってきました。
暖かくなるのが待ち遠しいですね!

さて、カンガルーケアって、聞いたことがありますか?
出産直後の赤ちゃんを、お母さんが素肌の上にだっこすることを、カンガルーケア(KC)といいます。元々は保育機の不足から母親の体温で赤ちゃんを暖めることを目的として始まったものですが、赤ちゃんの体温保持、低出生体重児の生存率向上、また母親の育児放棄減少に効果が見られ、母子の愛情形成に役立つものとして、日本でもカンガルーケアを取り入れる産科・助産院はたくさんあります。

ところがこのカンガルーケア、新生児にとって危険なものであるという見解があります。昨年9月に行われた日本母乳哺育(ほいく)学会学術集会では、カンガルーケア実施中に新生児の呼吸停止を招くなどのケースが全国で16例も報告されており、こうした事例はその後も増えているといいます。
つい最近も、カンガルーケア中の残念な事故がありました。

kangaroo

「カンガルーケア」中に赤ちゃん呼吸停止 長崎の産婦人科医院
長崎市の産婦人科医院で昨年12月、出産直後の「カンガルーケア」(KC)中に赤ちゃんが呼吸停止し、現在、脳機能障害になっていることが2日、わかった。両親は訴訟を起こすことも視野に医院側と和解協議を進めている。
KCは母親が出産直後に一定時間、胸元で赤ちゃんを抱くことで、その様子がカンガルーの親子に似ていることから名付けられた。母子関係の向上や母乳育児の促進に有効とされる半面、実施中に赤ちゃんが低体温状態に陥って死亡したケースもあり、KCを推進する医師からも事前の説明とケア中の安全面の配慮を求める意見が出ている。
昨年12月9日夜、この産院で、同市の男性会社員(44)の妻(45)が長男を出産。両親らによると、男性院長と女性助産師はベッドに寝ていた妻に長男を抱かせたが、KCの効果や危険性の説明はなく、同意を求めることもなかった。
直後から長男のつめが紫色になり、手足も動かなくなったが、妻と長男が2人だけになることもあったという。20分後に妻の叫び声で院長らが駆けつけたところ、長男の呼吸は止まっていた。長男は市内の病院に救急搬送され、NICU(新生児集中治療室)で人工呼吸器をつけたままの状態となっている。
院長は取材に対し「KCの危険性も認識していたが、結果的には大変申し訳ない」と釈明。男性会社員は「病院の対応の不備など複数の問題が重なって起きた。原因を究明してほしい」としている。
KCは1978年に南米のコロンビアで保育器不足の対策として始まり、日本でも90年代後半から普及した。

お母さんと赤ちゃんの愛情形成に効果を認める声が大きい一方で、危険を訴える医師の声もあり、現状ではカンガルーケアを取り入れるかどうかは、病院によって方針が異なります。また、病院によっては、カンガルーケアに関する事前の説明を特に行わず取り入れているところもあるそうです。ご出産の際は、出生直後は呼吸循環状況が危機的な状況となる可能性が高いことを認識して、カンガルーケアを実施するかを医師と相談の上で決められてはいかがでしょうか。

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