良い情報:社会的な側面で考えれば、私たちは上手に年を重ねています!現在の私たちは、ほんの50年前と比べてもより健康ですし、はるかに長生きしています。技術や医療の進歩が、この長寿命化を支えています。後年、環境が整った時に家族を持ちたいと願う女性のために、卵母細胞(卵子)を保存することも、その一つです。
悪い情報:卵巣と卵子は社会の動きに追いつくようには進化していません。女性が年を重ねると、卵子には2つのことが起こります。数と質の低下です。卵子が老化するにつれて妊娠率は低下します。40歳以降のほとんどの女性において、性交を伴うある月経周期(1周期)における妊娠確率は約5%以下になります。
なぜ加齢とともに妊娠しにくくなるのですか?
人類生物学上では正常なことです。女性は全ての卵子を持って生まれてきます。満月の状態から、欠け始める月のようなものだと考えてください。女性は毎月一定数の卵子を失い続け、40代前半から半ばに達するまでに卵子がなくなります。
専門的な話をしましょう:
「卵母細胞には卵胞閉鎖と呼ばれるプロセスがあります。出生時には卵母細胞の約20%が残っていますが、思春期にはこのうちの5%から10%しか残っていません。この卵母細胞数の減少はその後ずっと続き、女性が40歳に達する頃には、残っている卵母細胞の数は非常に少なくなります。最終的にほとんどの女性は、40代前半から半ばに生存能力のある卵母細胞を使い果たします。」
しかし問題となるのは卵母細胞数の減少だけではありません。卵母細胞の年齢も重要です。身体と卵子の年齢が上がるにつれて、受精して健康な(染色体的に正常な)胚に成長する能力は損なわれます。
これが、40歳以上の女性の流産率が高く、妊娠率が低い理由です。
私にはどのような選択があるのでしょうか?
もしあなたが40代であれば、全ての不妊検査を受け、卵巣予備能の状態を確認するのが最善の方法です。
どのような検査ですか?
経膣超音波を用いて子宮内膜の状態や卵巣の濾胞の数をチェックしたり、採血によりAMH(抗ミューラー管ホルモン)レベルを測定したりします。家族を持つための支援-治療計画を立案するには、これらの検査が必要です。
40代で出産する女性が多くいる一方で、不妊症に苦しんでいる女性もたくさんいます。その他、妊娠/出産を成功させるためには、自然妊娠の試みや、排卵誘発を伴う性交や子宮内受精(IUI)、体外受精(IVF)、IVFを伴うドナー卵子の使用、代理母の使用、提供胚の使用や養子縁組などがあります。
まとめ
女性の不妊治療の選択肢に、年齢による違いはほぼありません。それぞれの選択肢における成功率が異なるだけだという事を、忘れないでください。例えば:正常な子宮と卵巣予備能を持つ40歳の患者の場合、排卵誘発剤を用いたタイミング法やIUI(人工授精)では、月に最大5%の妊娠成功率を示しますが、自己卵を使用したIVF(体外受精)での成功率は40~50%に上がり、ドナー卵子を用いたIVFの成功率は80~90%になる可能性があります。包括的な検査や評価を行う事により、個々の状態に合わせた分析が可能となり、より有用な成功率予測を割り出せます。
実際には、ほとんど全ての皆さんがお子さんを授かっています!ただし、そこへ至るまでの道のりは、初めに思い描いていたものではない場合もあります。
記事監修者
”この記事は、Fertility Instutute of HawaiiのDr. Frattarelli, Dr. Karmon, and Dr. Gouletの許可を得て転載されています。”
This article has been reposted with the permission of Dr. Frattarelli, Dr. Karmon, and Dr. Goulet at the Fertility Institute of Hawaii.