問題がないのになぜ妊娠できないのでしょうか?
不妊検査の結果、異常がなかったのにも関わらず、妊娠しないことは「機能性不妊」と呼ばれています。
これは約10パーセントのご夫妻に診られ、異常がなくてよかったと思う反面、具体的な治療法が見えずに悩まれているかたも多いのでしょうか?
しかし、「原因不明」と判断する前に、まず必要な検査をすべて行っているかどうか再度チェックしたほうが良いでしょう。

原因不明の機能性不妊とは

一つ目の病院では分からなかったことが、別の病院で違う検査を受けたらわかった、というケースもあります。
一般に不妊のおおまかな原因を探るには基本検査が必要とされます。
これらをすべて受け、とくに問題がなかったときには「原因不明」と診断され、さらに詳しい検査を行って治療を進めるのが一般的です。

検査でどうしてもわからない異常に「卵子のピックアップ障害」があります。
卵巣から飛び出した卵子がなんらかの原因によってラッパ状の卵管采に入っていけないこといい、難しい不妊症の約半数を占めると言われています。
また、卵子と精子が互いにであっているはずなのにも関わらず、精子が卵子の中に入っていけない「受精障害」もあります。

さらに、医療技術が進歩しても現在ではどうしてもわからないブラックボックスとされているのが「着床障害」です。
「着床」とは受精卵(胚)が子宮内膜に付着することを言いますが、子宮内に異常があるとうまくいかない場合があるのです。
このように原因はあっても今の医療では分からない場合があります。

近年、体外受精などの高度生殖医療が急速に普及したとこで、かつてのように原因解明のために徹底的に検査をするよりも「治療しながら必要な検査をしていく」方法が一般的になってきています。
人工授精や体外受精で解決される為、省略される検査項目もあります。

検査の取捨選択によって「原因不明不妊」と診断される方もいますが、実際に原因不明の方が増えているわけではありません。
不妊治療にあたる専門医は年齢や不妊期間、患者の希望等を加味した上でもっとも妊娠の可能性が高い治療方法を勧めます。
相性の良い、信頼のおける医師の下での治療が妊娠への近道と言えるでしょう。