結婚後、第一子に恵まれているのに、次の子を望んでいるのにもかかわらず妊娠できないものを二人目不妊といいます。
昔から二人目不妊の例はありますが、近年はこの二人目不妊の人が増えている傾向があります。

それは統計にもはっきりと出ています。
一人の女性が産む子供をの数(合計特殊出生率)が2を割ってから年々、改善されることなくその率は下がっています。
厚生省では、これは結婚して子供を欲しがらない夫婦や、子育てをしながらの就労の困難からひとりっ子家庭の増加という見解のようですが、そうとばかりはいいきれないようです。
「産みたくても産めない夫婦が増えている」というのが主な理由で、その中には「もう一人か二人欲しいのにできない」というケースも含まれていると思われます。

二人目不妊とは?

一人は産んでいるので、自分に不妊の要素があるとは信じられないでしょうが、一人産んでいても、出産経験のない不妊の人と同じような不妊原因を持ち合わせている場合が少なくありません。
「一人産んでいるのだから、むしろ出来やすいはず」という考えにこだわらず、治療を行いましょう。

では、どのような原因が考えられるのでしょうか。
まずは、一人目はまれな偶然の所産だったという場合です。
例えば、男性の精子の濃度が極端に低く、その精子濃度で一人目が産めたのは不思議なほど偶然であったという例も少なくありません。

次に、一人目を産んだときより年齢が高くなっているという点が不妊の一因になっているという場合です。
加齢によってホルモンのバランスが崩れ、子宮内膜の機能不全や卵巣機能不全が原因で二人目不妊となる可能性があります。
子宮内膜の機能不全の場合、受精卵はできているのに着床の失敗を繰り返したり、流産を繰り返します。
男性の場合は、年齢的には女性より余裕はありますが、一人目のときより精子濃度等がぐんと悪くなっている例もあります。

また、一人目の妊娠中に増えた体重はそのままなどの、健康管理の悪さが原因という場合です。
緩んだ腹筋を体操で治すのではなく、ガードルなどで体型をカバーすることにより血行不良となり、全身的な健康状態が低下しているということも少なくありません。
産褥体操は腹筋の緩みを直すだけではなく、骨盤内の血行をよくし、生殖器の回復をよくするのに役立ちます。
一人産んでいても、日常での健康管理は必要です。

なお、一人目の妊娠や出産で手術を受けて不妊の原因が生じたとか、過労や病気で妊娠しにくい体になったとか、男性の方にも病気や過労があったなど、はっきりした原因がある場合もあります。

二人目不妊の場合、治療は一人目の育児をしながらとなるためとても大変です。
また、年齢的に高くなっている場合、機能の回復には時間がかかります。
短気になって治療を辞めてしまう人も少なくないようですが、もう一人欲しいという場合は、夫婦であらかじめ治療はどこまで希望しているのかをよく話し合って、計画的に進めましょう。
そして、じっくり治療や健康管理を行っていきましょう。