「女性の体のメカニズムと体重の関係性とは」では、体重とホルモンバランスの微妙な関係について取り上げました。
肥満でも痩せすぎでもホルモンバランスに影響してしまうなんて、まるでバランスを取るのがとても難しく聞こえてしまいますね。
でもそれは、極端に肥満だったり痩せている場合の話です。
多くの場合、体は何もしなくても、自然とホルモンのバランス調節をしてくれるのです。
人間の体は本当に神秘で満ち溢れています。

体重がホルモンバランスに影響

さて、体重がホルモンバランスに影響するように、ホルモン自体もまた同様に、体重に影響を与えています。
ホルモンバランスの状態によって、体重が増えやすくなったり、痩せやすくなったりするのです。
今回は、特に体重の増減に影響を与えると考えられている、エストロゲンとプロゲステロンに注目してみましょう。

エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、卵胞の成熟を促すホルモンです。
ちなみに卵胞とは、卵子の元(原始卵胞)が成熟する所です。
エストロゲンは卵胞だけではなく子宮の状態やカルシウム量などにも作用します。
このホルモンが分泌されることで、女性らしい体つきに変化する手助けをしているのです。
胸も膨らみ、肌もツヤツヤ、脂肪も少し付きやすく、妊娠に向けた体作りを促します。
エストロゲンは排卵直前に分泌量がグンとアップし、排卵が済むと減少します。

プロゲステロンは黄体ホルモンとも呼ばれ、主に子宮内膜を厚くしたり子宮の状態を整え、受精卵の着床を手助けします。
さらに、乳腺の発達を促し、血糖値を正常に保つ作用もあります。
このホルモン分泌量が多くなると、基礎体温が上昇します。
よく耳にする「高温期」とはこの時点から月経が起こるまでの期間のことです。
プロゲステロンは排卵後に分泌量が増し、エストロゲンの分泌量を上回ります。
排卵後一定時間で受精が無いと、黄体ホルモンの分泌は減少し、厚くなった子宮内膜は剥がれ落ちます。
これが月経です。

この2つのホルモンが、具体的にどう体重の増減に影響をあたえているのでしょうか。
まず、エストロゲンの分泌が優位な時は、体調が整いやすく、精神的にも落ち着いてポジティブに活動できます。
エネルギーも消費されやすく、運動の効果も出やすくなります。
体重も、何もしなくても程よく保たれます。
ところが、プロゲステロンが優位な時は、体調に波が出ることが多く、イライラしがちになります。
生理が近くなるとイライラしたり食欲が増す経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
妊娠の準備を更に促すホルモンの為エネルギーは消費されにくく、運動の効果はなかなか出ません。
また、水を溜め込みやすくなるので、体はむくみがちに。

女性の体は、一定のサイクルでホルモンによる影響を受け、その機能を保っています。
エストロゲンとプロゲステロン、どちらも上手く作用しないと月経異常や不妊の原因になります。
どちらのホルモンが優勢の期間も、それぞれのホルモンの特性を理解し上手く付き合っていくことが大切ですね。