代理出産の成功率は?成功率を左右する要因や環境がもたらす影響を解説

代理出産は、医学的な理由で妊娠や出産が困難な夫婦にとって重要な選択肢の一つです。しかし、代理出産の成功率は一律ではなく、様々な要因によって左右されます。本記事では、代理出産の成功率に影響を与える主な要素や、日本と海外での成功率の違い、代理出産の成功率を高めるためにできることなどを解説しますので、代理出産を検討する際にお役立てください。

【目次】

■年齢別の体外受精の成功率

■成功率を左右する要因とは?

・卵子・受精卵の質

・代理母の健康状態

■日本と海外の成功率の違い

■代理出産が認められている国

アメリカ

ギリシャ

カザフスタン

ウクライナ

ジョージア

ロシア

■成功率を向上させるためにできること

・卵子・精子の質を向上させる

・信頼できるエージェントを選ぶ

・適切な医療機関を選ぶ

年齢別の体外受精の成功率

女性は35歳以上になると、妊娠率の低下だけでなく流産率が増加します。加齢による卵の染色体異常や、受精後の胚発育の悪化により起こるとされます。以下に年齢と体外受精の成功率の目安を挙げます。

※ここで紹介している「成功率」の数値は、主に体外受精の妊娠率をベースにした目安です。代理出産の場合も体外受精の技術が用いられますが、代理母の健康状態や法的・倫理的な条件などが加わるため、数字がそのまま当てはまるとは限りません。あくまで参考値としてご覧ください。

年齢体外受精の成功率(妊娠率)卵子の質・特徴
30歳以下45~50%前後卵子の質が良く、染色体異常が少ない
35歳前後約40%前後卵子の老化が始まり、妊娠しにくくなる
40歳以上30%未満受精率や着床率が低下し、流産のリスクが高まる

参考:https://www.jsog.or.jp/activity/art/2020_ARTdata.pdf

成功率を左右する要因とは?

代理出産の成功率には、卵子や受精卵の質や、代理母の健康状態といった重要な要因が関わっています。それぞれの要因がどのように影響するのかを理解することは、代理出産の成功に向けて欠かせません。ここでは、成功率を左右する要因について詳しく解説します。

卵子・受精卵の質

代理出産の成功率を大きく左右する要素の一つが、卵子の質です。年齢とともに卵子も老化し、受精が難しくなるだけでなく、受精に成功しても着床率が低下する傾向があります。受精卵の質も、妊娠の成立に大きく影響します。受精した卵子(受精卵)が分割を繰り返して「胚盤胞」と呼ばれる段階まで発育し、その胚盤胞の状態が良好であるほど、着床や妊娠の可能性が高まるとされています。胚盤胞の状態は、細胞の数や形、分裂のバランスなどに基づいて「グレード」と呼ばれる評価基準で分類されます。グレードが高い、つまり質の良い胚盤胞は、着床率や妊娠率も高い傾向があります。

なお、卵子に問題がある場合は、卵子提供を受けたり、着床前診断(PGT)によって染色体異常のない受精卵を選別したりする方法もあります。

代理母の健康状態

代理母の健康状態も、妊娠の維持や安全な出産に大きく関わる重要な要素です。一般的には、過去に妊娠・出産を経験しており、合併症がなかった健康な女性が適しているとされています。また、代理母は妊娠中は医療面・精神面のサポートを受けながら、安定した環境で過ごすことが望ましいとされています。

日本と海外の成功率の違い

日本では代理出産が法律上認められていないことから、多くの夫婦が海外に渡航して治療を受けています。海外では、より高度な生殖医療技術が利用できることが多く、代理出産の成功率が高まる傾向があります。

また、海外では実績が豊富な医療機関が多く、充実したデータに基づいて治療を進められるのが特徴です。さらに、国によっては着床前診断(PGT)の活用や複数胚移植が認められており、こうした医療技術の違いが成功率にも大きく影響します。

代理出産が認められている国

以下の国では、代理出産が認められています。

・アメリカ

・ギリシャ

・カザフスタン

・ウクライナ

・ジョージア

・ロシア

代理出産を希望する際には、各国の条件を理解し、自分たちに最も適した国を選ぶことが重要です。ここでは、それぞれの国の受け入れ条件について簡単に解説します。

アメリカ

アメリカは州ごとに法規制が異なり、カリフォルニア州のように有償・無償を含めて積極的に容認する地域がある一方、禁止や厳格な制限を課す州も存在します。出生前命令により、子供の誕生前から法的な親子関係を確立できる州もあり、代理出産を検討する際は各州の法的環境や要件を詳細に確認する必要があります。

ギリシャ

ギリシャでは代理出産は法律で認められていますが、受精卵の移植前に裁判所の許可を得ることが必須です。

異性カップルと独身女性のみが利用可能です。出産後は依頼者が法的な親として認められ、代理母は親権を持ちません。代理母への金銭的報酬は違法ですが、医療費などの実費補償は認められています。手続きには厳格な年齢要件や医学的適応証明が必要です。

カザフスタン

カザフスタンでは妊娠代理出産が公に認められており、異性カップルを主な対象としています。ただし商業的取り決めの合法性については明確な規定が不透明な面もあります。代理母への補償金や生活費は高額とされ、出生時には意図した親が正式に登録されます。国際的な利用を検討する際は現地の最新情報を確認することが重要です。

ウクライナ

ウクライナは商業的代理出産を合法とし、既婚の異性愛カップルのみが利用できます。受精時点で意図した親に法的な親子関係が認められ、代理母には親権がありません。戦争下でも各代理機関は運営を続けていますが、安全面や移動リスクには注意が必要です。

費用の安さと、代理出産が法律で明確に認められていることから、現在も国外からの高い需要が続いています。

ジョージア

ジョージアでは1997年から代理出産が合法ですが、外国人への利用制限が検討されるなど法的状況が変化しやすい傾向があります。現行の法律では異性カップルを主な対象とし、出産後は依頼者が法的な親として登録されます。代理母は親権を持たず、商業的契約が認められていますが、今後の法改正の動向を注視する必要があります。

ロシア

ロシアは商業的代理出産を認めてきましたが、近年の改正により外国人は利用禁止となり、婚姻関係にあるロシア国民か独身女性だけが対象です。代理母への報酬は法的制限がなく、出生時には意図した親が法的親として登録されます。海外からの依頼が厳しく制限されるため、国際的な代理出産先としては困難な傾向にあります。

成功率を向上させるためにできること

ここでは、成功率を上げるために実践すべき具体的な方法を3つ解説します。

・卵子・精子の質を向上させる

・適切な医療機関を選ぶ

・信頼できるエージェントを選ぶ

これらの方法を組み合わせて取り組むことで、より代理出産の成功に近づくでしょう。

卵子・精子の質を向上させる

卵子や精子の質を高めるためには、まず食生活や生活習慣を見直すことが重要です。栄養バランスの取れた食事を意識し、ビタミン・ミネラル・タンパク質をしっかり摂取することで細胞の働きをサポートします。また、適度な運動は血流を良くし、卵巣や精巣の機能を保つのに効果的です。

さらに、十分な睡眠やストレスの軽減によってホルモンバランスを整え、妊娠しやすい体内環境をつくることも欠かせません。加えて、禁煙や過度な飲酒を控えることで、卵子や精子へのダメージを最小限に抑えることができるでしょう。

適切な医療機関を選ぶ

代理出産で高い成功率を目指すには、信頼度の高い医療機関を選ぶことが不可欠です。実際に、着床前診断(PGT)の有無や、代理母の妊娠管理体制が充実しているかどうかは非常に重要なポイント。加えて、医師の経験やこれまでの成功事例を調べて、より多くの実績を持つ病院やクリニックを選ぶと良いでしょう。

信頼できるエージェントを選ぶ

海外での代理出産を円滑に進めるためには、エージェントの存在が大きな支えとなります。実績や評判など事前に目を通し、代理母や医療機関の手配をスムーズに行ってくれるかどうかを確認しましょう。渡航先や為替レートなどにより、費用は変動することも少なくありません。しっかりと説明してくれたり、法的なサポートを提供してくれたりするエージェントなら安心感が違います。さらに、代理母とのマッチングに力を入れているエージェントであれば、成功率を高めるうえでも心強いパートナーとなるでしょう。

代理出産を検討されている方はメディブリッジにご相談ください

メディブリッジは、東京都品川に拠点を置く日本法人の卵子提供・代理出産エージェンシーです、豊富なドナー登録と高い成功率を誇る海外提携クリニックで安心して治療を進めるサポート体制が整っています。

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