40代での不妊治療、やめる前に考えたい「もう一つの選択肢」――納得のいく決断をするために
40代に差し掛かり、不妊治療を続けるかやめるかの選択に悩む方は少なくありません。治療の成果が見えにくくなる一方で、「自分の子供を産みたい」という強い願いが心に残り、踏ん切りがつかないこともあるでしょう。本記事では、40代の不妊治療の現実や、治療を続けるかやめるかの参考となるポイントを整理しながら、もう一つの選択肢として「卵子提供」についてもご紹介します。前もって知っておきたい情報をご案内しますので、あなたにとって納得のいく未来を選ぶ際にお役立てください。
【目次】
■40代の不妊治療の実情を知る
・成功率の現状
・リスクと健康への影響
・保険適用と治療回数の制限
■不妊治療を続けるかどうかのヒント
・年齢によるリスクと限界を把握する
・経済的な負担とバランスを考慮する
・治療のタイムリミットを設定する
■体への負担を感じたら一度立ち止まろう
■もし心まで疲れてしまったら
■「それでも自分の子供を産みたい」―諦めないための「卵子提供」という選択肢
・卵子提供のデータと成功率
・論理的・心理的な課題
■40代の不妊治療で後悔しない選択を
40代の不妊治療の実情を知る
不妊治療は、年齢に伴ってやめどきに悩む方が増えていきます。40代での不妊治療に悩んでいるのならば、不妊治療の実情を知るところから始めましょう。
・成功率の現状
・リスクと健康への影響
・保険適用と治療回数の制限
以上3つの側面から解説します。
成功率の現状
女性の妊娠の成功率は、30代後半から急に低下し、40代に入るとさらに低下します。具体的には40~42歳の自然妊娠率は、約5~16%で、42歳以上に至っては、妊娠率が5%未満です。現代は、女性の社会進出や晩婚化に伴って、高齢出産が増加し不妊治療を受ける方も増えてきました。40歳での体外受精の妊娠率は、16.8%で、44歳では5.6%です。
このように43歳以上では、自然妊娠はもちろん、体外受精や顕微授精であっても妊娠が難しくなります。
参考:日本産科婦人科学会誌「2022年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績」
リスクと健康への影響
不妊治療の継続が及ぼす健康への影響に、不安を抱く方も少なくありません。母体への影響は以下のとおりです。
・妊娠高血圧症候群
・妊娠糖尿病
・早産
・帝王切開
一方で赤ちゃんへの影響も懸念され、流産率は、35歳から徐々に上昇し、40代に入るとさらに高まります。
40代の出産は、妊娠しても無事に出産に至るまでのリスクが高いため、健康状態を考慮して妊娠期を過ごす必要があるでしょう。さらに、40代後半になると、より妊娠の可能性が低くなります。卵子の質や機能に対し、限界の見極めも必要です。
保険適用と治療回数の制限
40歳という年齢は、不妊治療における保険適用制限の節目ともいえます。対象年齢と保険適用回数は、以下のとおりです。
治療開始日の年齢 | 保険適用の回数 / 子供1人につき |
40歳未満 | ~6回 |
40歳以上43歳未満 | ~3回 |
参考:「不妊治療に関する支援について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000901931.pdf)(厚生労働省)より加工して作成
このように、治療開始日の年齢が43歳未満の場合、保険適用で体外受精や顕微授精などの治療が受けられます。しかし、43歳以上は保険適用外となり治療費は全額自己負担です。
治療は数十万以上となるため、事前によく考える必要があるでしょう。
不妊治療を続けるかどうかのヒント
お金や時間をかけてきたからこそ、やめどきが難しい不妊治療。本章では、不妊治療を続けるかどうか、3つのヒントをご紹介します。
・年齢によるリスクと限界を把握する
・経済的な負担とバランスを考慮する
・治療のタイムリミットを設定する
それぞれ詳しく解説します。
年齢によるリスクと限界を把握する
35歳以上は、一般的に高齢妊娠・高齢出産と呼ばれ、合併症や早産など妊娠・出産による体への影響がより大きくなると言われています。特に、45歳以上になると妊娠できる可能性が極めて低く、妊娠したとしても妊娠や出産そのものが、母体に大きな負担を与えます。
健康状態や体力など自分の心身と相談しつつ、自分の限界を見極める必要があります。年齢を基準に、治療継続を考えるタイミングを決めておくのも方法のひとつでしょう。
経済的な負担とのバランスを考慮する
不妊治療には、多額の費用が必要です。保険適用とはいえ、治療回数や年齢に制限があり、それ以上に治療を受けるとなると保険適用外となります。不妊治療による家計への負担は決して少なくありません。
体外受精や顕微授精は、治療ごとに費用が増えます。夫婦間での話し合いや資金計画は、不妊治療の継続を考える材料になるでしょう。妊娠・出産に至った後の生活を見据えて、見極めるのも大切です。
治療のタイムリミットを設定する
期限や回数など、以下のようなタイムリミットの設定は、治療継続を考える際の参考になります。
・後1年間だけ
・採卵3回まで
・移植3回まで
具体的なタイムリミットの設定は、治療の不安軽減や妊娠に至らなかった場合に気持ちを切り替える手助けになるかもしれません。心身の状態や経済状況を鑑みて、現実的な範囲でタイムリミットを設定するとよいでしょう。
体への負担を感じたら一度立ち止まろう
体力的にも大きな負担となる不妊治療。体への負担を感じたら、一度立ち止まり落ち着いて考えてみてもよいでしょう。
不妊治療では、以下のような体力的な負担が考えられます。
・薬の副作用
・通院
・治療しながらの仕事
治療が進むにつれ体力的な負担が増えることが、不妊治療の特徴の一つです。体力の低下や疲労を感じ、日常生活にも影響が出る場合は、一度治療を休むか治療をやめる選択肢が必要になる可能性もあります。
そうなる前に、自分の限界を意識しながら心身の状態を確認することが大切です。一度立ち止まることで冷静な判断ができるようになるでしょう。
もし心まで疲れてしまったら
不妊治療は、体力面だけではなく精神的にも負担が大きい治療です。体力的・経済的負担が相互に作用して、精神的な負担となります。
不妊治療での心が疲れる原因は、以下のとおりです。
・終わりが見えない治療
・他者の懐妊報告
・周囲の理解不足 など
不妊治療は、続ければ必ず妊娠・出産できるものではなく、お金や時間をかけてきた分、やめるにやめられなくなります。また、他人の妊娠や周囲の無理解などがストレスとなり得ます。
精神的な負担を減らすためには、医師やカウンセラーに相談しながら治療を進め、現状を客観的に見つめるとよいでしょう。どんな結果になっても夫婦で納得できるよう、治療後の生活を視野に入れながら定期的な計画の見直しが大切です。
「それでも自分の子供を産みたい」―諦めないための「卵子提供」という選択肢
卵子提供は、第三者から提供された若い卵子と夫の精子を受精させ、その胚を妻の子宮に戻し、妊娠・出産を目指す不妊治療の方法です。
卵子は、加齢と共に質が低下し妊娠率に影響を及ぼします。そのため40代以降で妊娠を望む場合、卵子提供は有力な選択肢です。しかし、日本では法的に認められておらず、国外での治療が一般的でアメリカや台湾などで行われます。
卵子提供には、妊娠率を向上させる可能性がありますが、より多くの準備や覚悟などが必要な不妊治療です。
卵子提供のデータと成功率
自分の卵子での治療に比べ、卵子提供では卵子の提供者が若いため、妊娠率が上昇します。夫の精子を使い、受精後に胚を移植するのが一般的な方法です。
卵子提供は、自分の卵子による体外受精の妊娠率を大きく上回るため、40代で不妊治療に悩む方にとって検討する価値があるといえるでしょう。
一方で、母体の年齢が上がるにつれて、流産率は高くなります。妊娠率が上昇する卵子提供であっても、母体は高齢となるため、妊娠に至ったとしても流産になるリスクは高くなるでしょう。
卵子提供の現状を把握して、検討する必要があります。
倫理的・心理的な課題
卵子提供には、自分たちだけではなく、提供者や生まれた子供にも倫理面や心理面の課題があります。卵子提供は「妊娠・出産が済めば終わり」ではなく、むしろ生まれた後、卵子提供者や子供に対するフォローが重要です。子供が生まれた後における提供者との関係や、子供に対する出自の説明などについて、慎重に考えなければなりません。
また、思っていたような子供が生まれず「卵子のせい」と考え受け入れられず悩むなど、倫理的問題も考えられます。フォローやサポート体制など、生まれた後のこともしっかり見据えて考える必要があるでしょう。
海外での治療は法律だけではなく文化の違いも大きく影響するため、十分に情報収集や準備を行いつつ検討しなければなりません。
40代の不妊治療で後悔しない選択を
加齢と共に妊娠率が低下し流産率が上昇するため、40代になると妊娠・出産が難しくなります。一方で、自分の子供を産みたいとの強い願いから、やめどきが分からなくなってしまう方も少なくありません。
不妊治療には、たくさんの方法があり、治療が長くなればなるほど続けるかやめるかの決断が難しくなります。
40代の不妊治療では、お互いの気持ちに寄り添い、これからの人生を考えながら治療を行うことが重要です。後悔しないためにも、体力や経済面・精神面を考慮した決断をしていきましょう。
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