卵子提供と紡錘体移植

先日、紡錘体移植といった手法を用い、不妊で悩む女性の卵子とドナーの卵子を組み合わせ移植し妊娠に至ったと報道がありました。

赤ちゃん

紡錘体移植と言われてもピンと来ない方が大半かと存じますが、紡錘体移植とは、ある卵子に含まれている紡錘体を取り出し別の卵子に移植することです。紡錘体とは、卵子の減数分裂の際に染色体を娘細胞に分離する構造体のことです。
卵子の中にある遺伝情報の塊といったイメージでしょうか。

つまり、紡錘体移植とは、ある卵子の遺伝情報を取り出し、遺伝情報が取り除かれた別の卵子に遺伝情報のみを移植することです。

紡錘体移植を前提とした卵子提供は、遺伝情報以外はドナー由来である卵子を体外受精して挙児を目指すということになります。

母由来の遺伝性疾患が引き継がれないようにするために使われてきたこの新技術が、今回のように不妊症の治療に使われるのは珍しいそうです。

紡錘体移植によるメリットの第1は、卵子提供を受けたとしても挙児を希望する女性本人の遺伝情報を引き継げることにあります。しかし、ことはそれほど単純ではないようです。
この方法で誕生する児は、本来の母由来遺伝情報を引き継ぎつつ、遺伝情報以外、たとえば、ミトコンドリアなどはドナー由来のものを引き継ぎ、そのうえで、父由来の遺伝情報もものを引き継ぐわけです。
「親が3人になる」と言われる通り、遺伝情報が複雑になるということです。

こういった側面もあってか動物実験として世界で初めて紡錘体移植が行われたアメリカでは、現在臨床での使用は禁止されています。この手法を用いた出産例が数年前から数件あったとのことですが、本当に安全かどうか見極め、何らかの不妊に対し光明をもたらすものになるか否かの判断には、時間を要すのは間違いないでしょう。
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