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体外受精の採卵で使われる排卵誘発法の決め方|不妊治療増加の理由

近年、不妊治療や体外受精という言葉を耳にすることは多く、珍しい治療ではなくなってきました。全国的に不妊治療を行う病院も増えたため、治療技術もどんどん向上しています。

日本産科婦人科学会によると、2016年の体外受精の件数は42万件以上で、赤ちゃんの18人に1人が体外受精で生まれたというデータが発表されています。

一方で、体外受精の成功率や排卵誘発、採卵といった治療過程の具体的なことに関する不安を抱いているカップルも多くいるでしょう。
そこで今回は、日本の不妊治療の現状と、体外受精で行われる排卵誘発法の決め方について説明します。

1.日本の不妊治療の現状

日本産婦人科学会の発表によると、2000年に体外受精で生まれた赤ちゃんは97人に1人でしたが、2016年には18人に1人の赤ちゃんが体外受精によって生まれており、日本の不妊治療の件数は増加の一途を辿っています。

そこでまずは、このような状況を生み出した社会背景と進歩する生殖補助医療技術の歴史や、生殖補助医療技術による成功率についてご紹介します。

1-1.女性の社会進出・晩婚化により増加する不妊治療と高齢出産

現在日本では、6~10組に1組の割合で不妊に悩むカップルがいると言われています。その背景には、女性の社会進出が挙げられます。

一般的に結婚適齢期や出産適齢期と言われる年齢には、仕事が軌道に乗ったり、管理職になるなど、仕事が忙しくなる女性が多くいます。
結婚したとしても、妊娠・出産を現実的に考えられない状況におかれることにより、徐々に高齢となってしまいます。そして妊娠や出産を望む頃には、結果的に不妊治療が必要となる方が増えているのが現状です。

また、自然妊娠するものという考えや、不妊はデリケートな問題だと言われていることもあり、病院に行くハードルが高く感じることも原因の一つだと考えられています。

1-2.進歩を続ける生殖補助医療技術医療

近年、日本の生殖補助医療技術は目覚ましい発展を遂げてきました。1983年以前の日本の不妊治療は、タイミング療法や人工授精を中心に行われていました。

しかし、1983年に体外受精が開始されたのをきっかけに、1988年に凍結融解胚移植、1993年には顕微授精が開始されるまでになりました。2013年には、42万人以上の赤ちゃんが生殖補助医療技術(ART)によって生まれたと発表されています。

1980年代では、体外受精などの治療は、大学病院や大病院のような施設でしか受けることができませんでした。
しかし、生殖補助医療技術が安定し、胚培養や胚凍結のために必要な機材や試薬が一般化されたことにより、生殖補助医療技術を行う不妊専用施設は増加しました。

日本生殖医学会では、生殖医療を専門とする「生殖医療専門医」を認定し専門知識や技術の向上を図っています。日本の生殖医療技術は、全国どこのクリニックで治療を受けても大きなレベルの差がないほどまでに発展しています。

また2013年には、日本生殖医学会が「社会的理由による未受精卵子凍結・保存のガイドライン」を発表し、病気だけでなく、パートナーの不在やキャリア形成といった社会的な理由でも卵子凍結保存ができるようになっています。

1-3.体外受精における受精率・成功率

公益社団法人「日本産科婦人科学会(JSOG)」は、2016年における「ART妊娠率・出産率・流産率」を、次のようなグラフで示しています。

(引用:産科婦人科学会 ARTデータブック 2016年/https://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2016data_20180930.pdf

赤い折れ線は、ARTによる全治療(体外受精・顕微受精・凍結胚移植周期すべて)における妊娠率を表しています。

体外受精では、採卵だけを行い、すべての治療周期で胚を移植をしないことがあります。胚移植(ET)したすべての周期にける妊娠率を表したものが青の折れ線です。
緑の折れ線は、すべての治療周期における出産率です。ここでは、赤ちゃんが生まれた確率を表しています。そして紫の折れ線は、治療周期の妊娠における流産率です。

この妊娠率、出産率、流産率のグラフを下記の表に分かりやすくまとめました。

25歳
  • 妊娠率 25.3%
  • 出産率 19.1%
  • 流産率 19.6%
30歳
  • 妊娠率 27.2%
  • 出産率 21.3%
  • 流産率 17.4%
35歳
  • 妊娠率 24.7%
  • 出産率 18.6%
  • 流産率 20.5%
40歳
  • 妊娠率 14.5%
  • 出産率 9.0%
  • 流産率 34.3%
45歳
  • 妊娠率 2.5%
  • 出産率 0.7%
  • 流産率 65.2%

年齢が若いほど妊娠率と出産率は高く、高齢になるほど妊娠率と出産率が下がります。流産率は、40歳を過ぎると急激に上昇していることが分かります。

   

2.体外受精における排卵誘発法の使い分け要素とは

体外受精では、採卵は避けては通れないものです。良質の卵子を採卵するために、有効的な排卵誘発法を選択しますが、どのようにして決められるのかをご紹介します。

排卵誘発法には、「刺激法」と「低〜中刺激法」があります。

刺激法とは、注射や点鼻スプレーのホルモン剤を使って、排卵刺激を行う方法です。ショート法、ロング法、ウルトラロング法、HMGセトロ法、HMG-MPA法があります。
低〜中刺激法には、飲み薬の排卵誘発剤を使って排卵誘発を行います。排卵誘発剤を使わない自然排卵を利用した完全自然周期で行う方法は、低〜中刺激法の中に入ります。

刺激法
ショート法ある程度の卵巣の予備能力が保たれている大多数の女性に行われます。
ロング法多嚢胞性卵巣の女性や年齢が若い、採卵日のコントロールが必要な女性に行われます。
ウルトラロング法子宮内膜症や子宮筋腫を持っている女性に行われます。
HMGセトロ法ショート法で発育卵胞数が3個以下の女性に行われます。
HMG-MPA法通院回数を減らしたい、病院から遠方、癌治療前などで緊急に排卵誘発が必要な女性に行われます。
低〜中刺激法
クロミフェン法できるだけ自然な方法で排卵誘発したいが、2、3個は採卵したいという場合に行われます。
セキソビット法クロミフェンと同様、できるだけ自然な方法で排卵誘発したいという場合に行われます。
完全自然法何も薬を使用しない方法で、完全に自然周期で行います。
44歳以上、AMHが低いなどの卵巣予備能力が低下している女性、FSHが高い女性などに行われます。

一般的に、刺激周期の方が自然周期よりも多くの採卵ができるとされています。主治医と相談して、排卵誘発法や全体的な治療方針について決定します。

それぞれの排卵誘発法には、ある程度の適応条件がありますが、個人の状態により最適な方法は医師から提案されることが基本です。

2-1.採卵後は卵子の質の確認・受精後は胚の質の確認を行う

排卵誘発後、多くは静脈から点滴で麻酔をして採卵します。その後、顕微鏡下で卵子の状態を確認します。
受精可能と判断された卵子と精子を受精させ、特殊な培養液と培養器具の中で培養します。受精したかどうかは、受精させた後13~18時間の間に顕微鏡で観察します。

受精卵が細胞分裂していく過程を観察し、その質を評価します。受精卵は、2分割から4分割、そして8分割と分裂し、5日目には「胚盤胞」と呼ばれる着床前の状態になります。

従来は、胚盤胞までの培養が難しく、受精後2~3日頃までしか培養できませんでした。
しかし近年では、培養液の開発・改良により着床前の胚盤胞まで体外で育てることができるようになり、胚凍結され保存が可能になりました。
凍結保存された胚盤胞は、次の周期以降に融解されて、胚盤胞移植されます。胚盤胞移植は、初期胚移植よりも妊娠の確率が高いとされています。

胚盤胞の質を確認する際は、ガードナーの分類がよく用いられます。
胚盤胞の質をグレード1-6に分類し、数字が大きくなるにつれて成長の速さを表します。グレード3以上には、細胞と栄養膜の状態をA−Cで表します。

一般的にグレードが良好でAA・AB・BAの胚は、着床する可能性が高いと言われています。しかし、グレードが良好な胚が必ず着床するとは限らず、CC評価の胚でも着床するケースも少なからずあります。

3.不妊治療を成功させるためには「夫婦で取り組む」ことが重要

不妊症の原因は、男女で半々と言われています。原因不明の不妊症カップルもいますが、どちらか一方だけの検査や治療では確実な不妊原因が特定できず、効率良く治療が進められません。

女性が長い期間不妊治療を行っていたものの妊娠する気配がなく、後になって男性が検査をしてみると、男性側にも不妊症の原因があった、ということも考えられなくはありません。
男性側の原因に気付けなかった期間が長ければ長いほど、女性は妊娠することが難しい年齢になってしまうでしょう。

夫婦で一緒にきちんと検査し、不妊治療に取り組むことは、効率良く治療が行えることに加えて、お互いに精神的・身体的なサポートでき、それぞれの負担を軽くすることにもつながります。

不妊治療専門病院の多くは、体外受精に関する無料説明会を開いています。
不妊治療に対して迷いがある夫婦やカップルも、まずは医師に相談したり、説明会に参加することから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

高齢になるほど妊娠率が低下し、流産率が上昇するなどのリスクが明らかになっています。不妊治療に関して、一般的に認知度が高まってきたとは言え、体外受精に対するハードルは心理的・経済的な側面からもまだまだ高いと言えるでしょう。

また、不妊症の原因は必ずしも女性にあるわけではありません。年齢を重ねるにつれ、自然妊娠の確率が低下することを考慮すると、夫婦揃ってなるべく早く不妊治療に取り組むことが重要です。

不妊の原因や夫婦の状況により、体外受精や排卵誘発方法を選択することとなりますが、体の状態はそれぞれにより異なるため、必ず医師ときちんと話し合う必要があります。ここまでの内容を参考に、まずは不妊症専門の病院で相談してみてください。

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