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精液検査の受け方と判定法


精液検査は不妊症の診断および治療に欠かせない検査です。
治療を受けられる医療機関によっては、初診のときにできるだけ夫婦での来院を勧め、女性だけでなく、男性の精液検査も同時に行うこともあります。

精液検査では、①精子の数、②運動性、③奇形率を調べます。
採精直後のゲル上の精液を、37度Cのふ卵器に約20分ほど入れて液化させ、それをスライドガラスに1滴落とし、顕微鏡で精子の数、運動率、奇形率を測定します。
1回の射精で出る精液は、通常2.0~3.0ccあり、1ccあたりの精子の数は約5000万~1億5000万ほどで、その運動率は60%以上あります。
判定基準は施設によっても多少の差はありますが、1ccあたりの精子の数が1000万以下を乏精子症と診断されます。

運動率は(+++)は最も活発に元気よく直進している精子、(+)は動きが非常に緩慢で、その場だけで動いている精子、(++)はその中間のもの、(-)は動いていない精子です。
運動率とは(+++)から(+)までの動いているすべての精子の割合を示しています。しかし、重要な点は全体の運動率ではなく、(+++)を示す精子の割合がどのくらいあるかということです。
運動率が80%程度でも、(+)の運動では受精は不可能です。

精液検査では、精子の数よりも、むしろこの運動率のほうを重視します。
それによって、自然にまかせてもよいか、それとも積極的に治療を行うかを決めます。
おおよその目安として、精子数が3000万~1000万/cc、運動率60~40%ではAIH、精子数1000万~100万/cc、運動率が40~10%では体外受精、ギフト法、それ以下の場合は顕微授精と決めています。

また、精子は全長が0.05mmあり、オタマジャクシのような形をしていますが、なかには頭部が大きかったり、小さかったり、また2つあったり、頭部が屈曲していたり、しっぽが短かったりという奇形の精子がいます。
正常な人でも約30%は奇形の精子がいるものです。
これも奇形率が90%以上であれば自然妊娠は難しいといえます。

なお、精液の状態はそれまでの禁欲期間や採取したときの心理状態などその時の条件によってもかなり変動します。
例えば、検査に来る前の3-4日間は禁欲生活を送って頂く必要があります。
禁欲期間は長ければ長いほどよいかというとそうではなく、あまり長すぎると精子の状態がわるくなる方もいます。

もし、1回目の検査で悪い結果が出たときは、30分-1時間ほど開けて、もう1回採取し調べることもあります。
採取する環境も重要です。
良い精液を取るには、十分な性的興奮を得ることが大切です。
病院によっては共同トイレなどで、採取を行うケースもあるようですが、落ち着いてて採取が出来ないことが問題です。
個室の精液採取室を設けてあり、視覚的な興奮がえられる環境が精液採取には非常に大切と言えます。


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