不育症とは妊娠されても流産や死産または新生児死亡を繰り返し、生児を授かることができない病態の事を指します。
通常2回連続して妊娠しても生児を授かることができなった場合不育症と診断されます。
原因を追求し、それぞれ治療を行えば最終的には80%以上の方が出産できるとされています(流産を2回繰り返した方の場合)。

不育症について

不育症の主な原因

  1. 免疫学的異常
    抗リン脂質交代症候群、自己免疫疾患、同種免疫異常
  2. 内分泌学的異常
    甲状腺機能異常・黄体機能不全・プロラクチン分泌異常
  3. 子宮形態異常
    子宮奇形、子宮筋腫、頚管無力症、子宮腔癒着症など
  4. 夫婦染色体異常
    上記項目に異常なく流産を繰り返される方はこれらに異常がないかスクリーニング検査を受けることをお勧めいたします。

主な検査内容

  1. 内分泌検査(血液検査)
    甲状腺機能、下垂体ホルモン、卵巣ホルモンについての検査になります。
  2. 子宮形態検査(X線造影・内視鏡)
    造影剤を子宮のなかに入れてレントゲンで撮影。子宮内腔の状態と卵管の通過性を評価する子宮卵管造影検査、内視鏡を用いて子宮の中を観察する子宮鏡検査を行います。
  3. 自己抗体検査(血液検査)
    自己抗体は自分の体に対する抗体でさまざまなものがあり、種類によっては血液を固まりやすくさせるものがあります。血液が固まりやすくなると、小さな血栓(血の塊)ができて、それが原因で流産が起きやすいと考えられています。
  4. 凝固系検査(血液検査)
    血液が固まりやすくなっているか(凝固能の亢進)、また、血液を固める物質(凝固因子)がどのくらいあるのか、といったことを調べます。
  5. 染色体検査(血液検査)
    ご夫婦それぞれの染色体の数や状態を調べます。その結果、流産しやすい染色体の状態なのかが判明します。

偶然に流産を繰り返しただけという方には中にもいらっしゃいます。
ですので、2回流産したからと言ってあきらめずにまず原因を調べるために、一度専門の病院へカウンセリングを受けに行かれることをおすすめいたします。