近年、日本では女性の晩婚化が進んだ影響で、高齢出産が増加しています。
一方で、女性の体は年齢とともに変化するものであり、妊娠が可能な期間は限られています。
自分が何歳まで妊娠できるのかは、妊娠・出産を希望する女性にとって、切実な問題です。

抗ミュラー菅ホルモン

人間の身体は、年齢だけでなく、個人の体質や生活習慣によって、大きく変わってきます。
同じ年齢でも、若く見える人もいれば、老けて見える人もいるように、卵巣の状態にも、実は個人差があります。
そして卵巣の状態は、妊娠の確率に大きく影響します。

自分の卵巣は何歳なのかを知るのに役立つのが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査です。
AMHとは「抗ミュラー管ホルモン」という、卵巣予備機能がわかるホルモンのことです。
血中AMH値が原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を反映するため、原始卵胞が少なくなるに従って、AMHの値が低くなると考えらえています。
最近は「卵巣年齢」という言い方も耳にしますが、卵巣の年齢を測るためにAMHの指標が使われています。
AMHは血液検査だけで受けることができます。

卵巣は一度老化してしまったら、若返ることはできません。
最近よく「卵子の老化」という言葉も聞きますが、これは卵巣の老化とイコールです。
では、AMHがもし低かったら、その数値を下げないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
それには、ピルの服用で、排卵を抑制することが有効と考えられています。
すぐに子どもを持つ予定がない人は、排卵の必要はないので、低用量ピルで排卵を抑制することで、卵巣の疲労を食い止めることができる可能性があります。

卵巣の年齢は加齢に大きく影響されますが、加齢以外にも、卵巣の老化原因には下記のようなものが考えられます。

卵巣の老化原因

  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • ストレス
  • 喫煙
  • 肥満
  • 痩せ過ぎ
  • 過度のダイエット(炭水化物抜き、果物だけのダイエットなど

普段の生活習慣が、実は卵巣にも影響していると言えます。
将来子どもを持つことを希望する方は、若いうちから卵巣にやさしい生活習慣を身に着けることも大切ですね。